平成12年3月議会

 

◯池上典子議員 代表質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 市民派会議を代表いたしまして、以下、中司市長の平成12年度市政運営の方針に対する質問をさせていただきます。

 代表質問の最後ということで、既に各会派から代表者の方、いろいろな質問がなされております。重複する部分についてはできるだけ避けて質問いたしますが、代表質問の性質上、省略することができない部分については、お許しいただきますようよろしくお願いいたします。

 なお、項目3の4)平成12年度予算については、各項目の中で数字を入れるということで割愛させていただきます。

 それでは、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。

 まず、平成12年度の市政運営に対する市長の基本的な考え方について、お尋ねいたします。

 市政運営方針の中、全体として、言葉では、緊急、決意と述べられておりますが、何度読んでも危機感を感じられません。巻頭に千年紀の幕開け、21世紀の懸け橋、地方分権の担い手等、大層ではあるが、全く意味のない言葉の羅列で、それがどうしたの感が否めません。12月議会において、当会派の高橋議員が、本質的な改善、事務事業の精査について、質問をしたはずです。財政再建は、肥大化した事務事業の整理、このことこそがまず最初に挙げられるべきです。しかるに、全部で11ページあるこの冊子の中で、肝心の何を切るかという痛みを伴う部分についてはわずか2ページ、それも具体的に触れてあるのは職員の人件費のみです。

 お尋ねします。

 平成12年度の市政運営に当たり、市長の最優先課題は一体何であるのか。このことを明確にしなければ、市民も、職員も再建に向ける覚悟ができません。

 次に、市政を取り巻く状況と将来を見据えた方向性について、お尋ねします。

 財政再建が急務とされる当市の現在の状況の中で、市長は、人件費について、今年度の方針として特別職の給与や管理職手当の削減を初め、全職員の定期昇給の延伸、停止、職員数の10%削減の指針を打ち出しておられます。

 まず、退職職員の再雇用、再就業について、お聞きします。

 平成10年度末の退職者107人の中で、再雇用として39人、約3分の1強の職員を平成11年度に再び雇い入れております。また、平成11年現在では、再就業として11人の職員も雇い入れております。このうち再雇用については、平成11年度1人平均の支給額は年600万円以上、総支給額は年間2億5,403万円に上ります。再就業については、1人平均支給額年約500万円、総支給額は5,577万円、合計で1年間約3億円以上の人件費となっております。3億円です。再建団体転落の赤ランプ、退職手当基金さえ底をついているような状況の中で、若い職員との世代間不公平、採用試験の不実施によるいびつな年齢構成、今後10年間に支払わなければならない280億円にも上る膨大な退職金の額、このような時期にこのような制度を何年も採用されてきたことについて、どう思われておるのか、また、平成12年度はどうされるおつもりなのか、見解をお伺いします。

 次いで、宿日直代行員の募集について、お尋ねします。

 3月1日付『広報ひらかた』に、教育委員会の宿日直代行員アルバイト登録の募集記事が掲載されております。今年度の代行員の退職者が13人ですが、退職についてはかなり以前からわかっていたはずです。平成10年11月に出された事務事業再構築プランによれば、「宿日直代行員の退職状況に合わせながら、夜間の機械警備による管理体制に一部切り替えを図っていく」と明記されています。緊急財政、すべての人件費にメスを入れている、既得権さえ関係ないこのような状況の中で、なぜ平成12年度の4月から機械警備への切り替えができず、アルバイトを募集せねばならないのか、お尋ねします。

 もう一点、将来を見据えた方向性ということで、公園墓地予定地の土砂搬入について、お伺いいたします。

 書面によらない不適正な事務執行により、4年たった今日でも、まだ禍根を残している下水汚泥処分場の覆土搬入事件があります。先日、公園墓地の予定地に多量の土砂及び岩石が投入されているという連絡があり、調査に行ってまいりました。平日の昼間にもかかわらず監視員もだれもいない、門は開け放たれたままでトラックは出入り自由。そして、そこには半年前とは様相の一変した風景が広がっておりました。山が1つ忽然としてできたという表現が一番適切であろうかと思いますが、1万6,000立米の土砂が運び込まれております。

 再び同じことを繰り返したくない、職員の処分ももうたくさんです。この1万6,000立米に上る土砂及び岩石は、適切な事務執行により契約を交わし、適切に事業が行われているのですね。お伺いいたします。

 3番、市政の重要課題と平成12年の主要施策について。

 1)人間愛を育む施策について、4点の質問と1点の要望をさせていただきます。

 まず、市長の介護保険に対する認識について。

 冊子3ページに「現行の福祉サービスを受けられている方のサービスの低下を招かないように努めます」とあります。市長の介護保険に対する認識をお聞かせください。

 2点目、楽寿荘の運営について。

 私自身毎年二、三回は利用させていただき、殊に桜の季節の楽寿荘をこよなく愛している者の一人として、今後何年も存続できる、市民合意の得られるような運営方法を、じっくりとした方向検討の時間を持って、結論を出していただきたいと考えております。これは要望にとどめます。

 3点目、女性への暴力、児童虐待についての実態調査と今後の施策について。

 女性への暴力、児童虐待については大きな社会問題でもあり、許すことのできない生命の危険をも含む人権侵害であると認識しております。その実態調査と今後の施策について、具体的にどのようなことをお考えなのか、お聞かせください。

 4点目、市民、関係団体の行う地域安全活動とは一体どういうものなのか。現在ある枚方市の防犯協議会、交通対策協議会、市民活動課とはどういう関係になるのか、お尋ねします。

 5点目、枚方東消防署北山出張所の太陽光ソーラーシステムについて、お尋ねします。

 今回建設を予定している北山出張所にソーラーシステムを設置するとありますが、この設置費は、枚方市の独自負担となります。1,000万円以上に上るであろう経費は、国からの補助があったとしても小さな額ではありません。そして、国からの補助金も税金であることは言うまでもありません。年間約20万円と言われる電気料金の削減は、20年間の耐用年数をかけても設置費用に及ばず、PR効果と言うならばPRの目的は何なのか、納得のいく御説明をお願いいたします。

 2)の自然愛を育む施策について、2点お尋ねします。

 1点目、事業系許可業者に対する減免措置について、お尋ねいたします。

 平成10年度決算認定が2月末までにずれ込むという異常事態の大きな原因となり、その認定に対しても多くの議員から指摘のあった事業系許可業者に対する減免措置について、予算書の中で何一つ触れられておりません。厚生委員協議会でも、担当部長から4月の契約更新時において、1キロ当たり21円を35円にする、減免制度そのものについても廃止の方向で審議会において審議を図っていくとのお答えをいただいております。

 何十年もの間、闇に包まれ触れられなかった部分の大きな第一歩が踏み出されたわけです。条例事項でもない減免の金額について、手数料としてなぜ予算書に明記されないのかという疑問は残りますが、部長よりいただきました上記2点については、いつからやるのかも含め、市長の口から最後お答えをいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 2点目、ごみ処理先進地への視察について。

 焼却ごみの半減、資源循環型社会の実現に向けての具体的な取り組みとして、国内外のごみ処理先進地への視察とあり、既に210万円の予算が計上されております。市長も今議会で何度もおっしゃられておりますように、今年度の最重要課題は赤字再建団体回避であります。聖域なしの事業精査がかけられる中、それでもなおかつ今やらねば将来に禍根を残す、そういう事業に対してはやっていくんだ、この事業はそれに当たるのでしょうか。事業自体について反対しているわけではありません。今、この時期を問題にしているのです。

 議会においては、各派代表者会議、議会運営委員会、議会報編集委員会と視察を廃止した経緯を持っています。市長のお考えをお聞かせください。

 3)郷土愛を育む施策から4点質問いたします。

 1点目、バスカードシステムについて。

 既に他会派からの質問が出ておりますので重複は避けますが、コミュニティバス、低床バス、車いす対応バス等の運行に対する支援ならまだしも、民間会社が料金の徴収機械をバスに付けるための1,900万円もの補助を今の枚方市がなぜ税金でしなければいけないのか、理解に苦しみます。御見解をお示しください。

 2点目、中心市街地活性化事業の基礎調査について。

 市に倒産の赤ランプのついているようなこのような時期に、なぜ基礎調査をされるのか。まさしく絵にかいたもち、緊急地域雇用特別交付金という国から突然下りてきた補助金の消化事業としか思えないのです。今やらねばならないとする理由をお聞かせください。

 3点目、自治会や地域コミュニティーと行政の新たな関係について。

 多岐にわたる質問が既になされておりますので、1点のみお尋ねします。

 現在、コミュニティーに下ろされている繁雑な補助金を整理し、透明化することが地域の民主化に必要であり、市民の税金の使い道に対する説明責任を果たすという意味でも必要であると考えます。また、似通った事業についても担当課が繁雑化しわかりにくく、思い切った整理、統合をしていただきたいと考えますが、市長の御見解をお尋ねします。

 4点目、ボランティア推進協議会、ボランティアサポートセンターについて。

 先日の御答弁でボランティアサポートセンターについての必要性は理解いたしましたが、この財政の厳しい今、なぜ急いで設置する必要があるのか、また、ラポールのボランティアセンターや国際交流協会のミーティングルームなどとは別にまた新しく設置していくのか、お考えをお示しください。

 これで1回目の質問を終わらせていただきます。

◯中司 宏市長 市民派会議を代表されましての池上議員の御質問に対しまして、順次お答えさしていただきます。

 まず、平成12年度の市政運営に対する基本的な考え方について、お答えいたします。

 平成12年度の市政の最優先課題は、行財政再建緊急対応策を着実に実行し、財政再建準用団体への転落の危機を回避することであります。しかし、それは単なる財政の帳じり合わせや縮小均衡を意味するものではなく、本市にとって必要な、新たな行政の投資を可能にする行財政体質への改革を進めるためのものであります。

 そのためには、まず職員の意識改革、そして人件費の抑制も重要な課題となっています。行政組織のスリム化を進め、同時に本市の将来を見据えたときにどうしても必要な事業、施策については選択の中で限られた財源であっても積極的に進めることとしていきたい、そうしたことにつきまして、市政運営の方針において考え方を具体的に示さしていただいておりますので、よろしくお願いします。

 次に、60歳定年の導入に伴いまして創設した再雇用制度、また定年前の早期退職対象年齢の引き下げに伴い創設した再就業制度、それぞれ創設の経緯は異なりますが、制度の適用に当たりましては、本人の勤労意欲、また退職前の勤務実態等を勘案しているところでありますので、よろしくお願いします。

 次に、公園墓地予定地への建設発生土の仮置きにつきましては、資源の有効利用と環境の保全を目的とした再生資源利用促進法の趣旨に沿って、穂谷狭戸線整備工事で発生した土を他の公共工事に活用するために一時的に仮置きしたものであります。仮置きにつきましては、適正な手続により行われておりました。また、仮置き場につきましては、作業終了時点での施錠や監督員による巡回監視などにより、適正に管理をしているところでございます。

 コスト縮減効果もありますので、保管した土については、他の工事用土砂として活用し、仮置き終了後、用地は原形に復元する予定でありますので、よろしくお願いします。

 続きまして、介護保険に対する認識について、お答えします。

 4月から始まる介護保険制度は、戦後の社会保障制度の中で、昭和36年の国民皆保険・皆年金制度と並ぶ国民にとって重要な制度であると認識しております。これまでの福祉は、少数の低所得者を経済的に救済することが中心でありましたが、高齢社会を迎え、高齢者の介護については現行の措置制度では対応し切れなくなりまして、国民全体が支え合う社会保障制度に転換されたものと認識をしています。

 本市は、高齢者福祉施策に先進的に取り組んできた経過があり、平成6年度には、365日、24時間のホームヘルパー派遣を実現するなど、特に在宅福祉を重視し、病院や老人施設に入所が必要な方たちに対しても、在宅での生活を保障できるよう努めてきたところであります。この4月から介護保険制度に変わることで、現行のサービスを受けられている方への給付の水準が直ちに低下するような事態を避けるために、一定期間については、保険外のサービスを含め対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、女性への暴力や児童虐待の実態調査について、お答えします。

 女性への暴力や児童虐待が、男女共同参画社会の形成を阻害し、また、児童の生命や安全を脅かす権利侵害行為として新たな重大な社会問題になっております。本市では、これらの問題の対応策を平成12年度内に策定する男女共同参画計画の焦点の課題の一つにしております。具体的に対応できるシステムを構築するためには、本市における事象の実態や必要な対応策に関するニーズを把握する調査が必要だと考えておりますので、よろしくお願いします。

 次に、市民、関係団体の行う地域安全活動について、お答えします。

 防犯や交通安全など、各種の地域安全活動につきましては、これまでから地域ぐるみで取り組んでいただいておるところです。しかしながら、昨今、子供や高齢者、また女性など社会的に弱い立場にある方々が被害者となる凶悪な犯罪が相次いでおりまして、また交通事故も増加の一途をたどっています。こうした心を痛めるような事件が多発する中で、行政機関や地域コミュニティーだけでなくて、地域の経済活動を営んでいる事業者にも協力をいただき、地域全体、社会全体の問題として生活安全の確保に取り組むために生活安全条例を策定さしていただきました。

 今後、この条例を効果的に運用していくために、推進組織の整備の準備をしており、この組織において各関係者の意見や情報を交換し、協調した活動が行えるような取り組みを進めていきますので、よろしくお願いします。

 また、枚方東消防署北山出張所のソーラーシステムについて、お答えします。

 消防施設は、市民の生命と財産を守る重要な防災拠点施設であり、枚方市域では北山出張所が阪神・淡路大震災以降初めて建設される出張所となりますので、震災の教訓を生かした施設にしていただくことは言うまでもありませんが、同時に、公共施設として地球環境にも配慮した取り組みも大切であります。環境への配慮は、官・民問わず社会的に大きな課題であり、環境への負荷を和らげる啓発事業としての効果も期待でき、電気コストの削減にもつながるものと思われます。御指摘のように、事業に対する経費の問題もありますので、消防組合に対しては、建設に当たって助成金の導入など最少の経費で最大の効果が得られるような取り組みを求めていきますので、よろしくお願いします。

 次に、ごみ手数料の減免措置の是正について、お答えいたします。

 これにつきましては、この間減免廃止を前提に取り組んできたところですが、本年4月1日から10キログラム21円を35円に是正してまいります。今後の対応につきましては、手数料全体の見直しを枚方市廃棄物減量等推進審議会で審議をしていただいております。

 今後、手数料の見直しを実施する際に、この結果を踏まえていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

 次に、国内外のごみ処理先進地への視察について、お答えします。

 財政が逼迫している現状から、行政視察等については、目的、効果等を精査し、厳正に実施することが当然ながら必要であると十分に認識をしています。その中で、焼却ごみ半減化を目指したごみ処理システムを構築するためには、市民とともに先進事例に触れるということが大変重要であると考えます。このことを踏まえて、視察の実績や成果に結び付けていきたいと考えますので、よろしくお願いします。

 続きまして、バスカードシステムの導入につきましては、公共交通の利用促進の一翼を担うものと認識をしております。運輸省では、平成13年の秋にはバス事業の需給調整規制を廃止する方向で検討中と聞いております。マイカーの普及や地下鉄の整備、自転車利用の進展などによりまして、昭和43年をピークに乗り合いバスの利用者が激減している現状であります。この規制の廃止によりまして、路線の見直し、縮小等も懸念されているところでございます。

 しかし、本市としても、安全で大量輸送ができ、また道路の交通渋滞の解消にもつながるバスの運行につきましては、十分に配慮し、公共交通離れに歯止めをかける必要があると考えています。そうした意味からも、公共交通の利用の促進は重要な施策であります。なお、御指摘のようなコミュニティバスの運行や低床バスの増車、また昼間割引制度の充実等につきましても、現在バス事業者に働きかけていますので、よろしくお願いいたします。

 次に、中心市街地活性化事業の基礎調査について、お答えします。

 中心市街地活性化事業の目的は、都市の中心地における豊かな生活空間の再生と活力ある経済社会の構築であり、これは全国的な課題として、法制度の整備も進んでいるところであります。本市といたしましても、こうした課題に対し、早期かつ継続的に取り組み、活力ある都市を目指していくことが健全な市財政にもつながるものと考えます。今回の調査費は、基礎的な調査を行い、課題や考え方を整理するものでありますので、よろしくお願いします。

 続きまして、到来する新しい時代に求められる多様なサービスに対応していくためには、行政だけでできるものではなくて、市民と行政とのパートナーシップを確立していくことが重要となります。ボランティアサポートセンターは、このパートナーシップ構築のスタートに必要な拠点になるものと考えています。また、設置場所等につきましては、既存の施設も視野に置きながら検討してまいります。

 次に、自治会と行政との考え方について、お答えします。

 現在、十数課からそれぞれの施策展開を促進するため、各校区の組織等に対し助成をしております。それぞれの補助金は、各校区組織の活動を裏付ける貴重な財源であります。その財源は市民一人一人の貴重な税金でありますので、さきにお答えしました自治会の手引きの中に、地域で使えるすべての補助金の一覧や活動内容も盛り込むとともに、今後、補助金の使途が明らかになるように指導してまいります。

 4月の機構改革で、防犯協議会や交通対策協議会の事務を市民活動課の所管に変更し、市の窓口を集中することにより、効果的な運営と市民にわかりやすい組織にするものであります。また、地域に対する補助金については、整理、統合も視野に入れた改善策を検討するため、関係団体や地域の皆さんと協議をしてまいりますので、よろしくお願いします。

◯中野一雄教育長 宿日直代行員のアルバイト希望者登録募集について、お答えします。

 学校施設の警備業務につきましては、宿日直代行員を配置し、夜間及び休日時の管理に当たっているところですが、中学校20校のうち一次避難場所となっていない19校については、機械警備の導入を予定しております。今回のアルバイト募集は、配置しております宿日直代行員の病気休暇時等の対応に必要なため、登録を予定しているものです。

 ただ現在、機械警備の導入に向けて職員団体と協議を進めておりますが、それまでの間、必要に応じてこの登録アルバイトを活用して、できる限り早く導入を図ってまいりたいと考えております。

 なお、導入に当たりましては、地域住民への学校開放に対応するため、学校開放時間帯に管理人を配置し、深夜、早朝に機械警備を導入して適正な管理を行う考えですので、よろしくお願いします。

◯三木静夫議長 午後1時30分まで本会議を休憩します。

    (午前11時49分 休憩)

    (午後1時37分 再開)

◯三木静夫議長 本会議を再開します。池上議員。

◯池上典子議員 お昼からも引き続きになりますが、申し訳ありません。

 2回目の質問に入らせていただきます。

 退職職員の再雇用、再就業について。

 危機感のかけらもない答弁に失望を禁じ得ません。今の枚方市の状況は、企業で言えば倒産の危機に瀕し、株主、行政で言えば市民、の配当を落とし、現に雇用している従業員の人件費にさえ切り込んでいる。このような状況の中で退職金を支払い、退職した職員をまた雇い入れる、週4回出勤で年間500万円、特別就業該当者などは市の元幹部職員です。この膨大な赤字の責任者ではないですか。1人当たり年500万円から600万円以上の支給額、約50名の人数、年間3億円に上る税金支出。いただいた答弁では到底理解することができない。再度、見解をお伺いいたします。

 宿日直代行員制度について。

 できるだけ早く導入していくということなので、4月になぜできなかったのかについてはこれ以上言及しませんが、施設管理人を置くということでまた経費の持ち出しとなり、財政再建のためという趣旨があいまいになります。1校当たり年間二、三百万円もの警備費用を見込んでいるはずですから、警備会社との契約の中に含ませる、ほかの公共施設における警備と合わせる等、安易な施設管理人の設置は慎んでいただきたいと考えますが、教育長の見解をお示しください。

 女性への暴力や児童虐待の実態調査については、本当に調査が必要なのでしょうか。人権、プライバシーに関する無記名のアンケート調査から実態の何がわかるのでしょうか。調査をする暇があったら、お金があったらまず担当窓口を作る、広報で知らせる。駆け込み寺等、一時避難場所を整えていくというような具体的な事業展開こそ必要だと考えます。今年度だけでも調査のみに使うお金として248万1,000円の予算が計上されています。緊急地域雇用特別基金という補助金であっても、苦しい財政の折です。2カ年事業ということですが、再度検討していただきたいと考えます。見解をお聞かせください。

 バスカードシステムについては、民間企業に対する補助ではなく、公共交通というものに対するてこ入れなんだ。そういう趣旨のお答えであったように思いますが、税金の投入には費用対効果の観点が必要です。1,900万円の投入で、市長のおっしゃる市民の公共交通離れに歯止めをかける効果が果たしてどれほど期待できるのでしょうか。また、料金の徴収機械設置にさえ税金を投入していく、それならどこまで市が担っていくおつもりなのか、市としての役割分担の指針もあわせてお尋ねいたします。

 これで2回目の質問を終わらせていただきます。

◯中司 宏市長 池上議員の2回目の御質問にお答えいたします。

 まず、年金の受給年齢の引き上げに伴いまして、高齢者の生活の安定を図るため、国を初め民間企業におきましても、職員や社員の60歳以降における定年後の再雇用、あるいは定年延長への取り組みが明らかになっております。このような社会的要請から、年金の満額受給年齢まで雇用を可能とする高齢者再任用制度の平成13年4月導入に向けて地方公務員法が改正されたところであります。

 したがいまして、本市におきましても、現行制度の見直しとともに、職員の退職後の就業制度の在り方に検討を加えたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、女性への暴力や児童虐待の実態調査の在り方につきましては、男女共同参画検討委員協議会におきまして、検討をしていただいておりますが、平成12年度は対象者を無作為に抽出し、暴力や虐待に関する意識、直接・間接経験の有無、必要と思われる支援措置などについて調査する予定です。

 緊急地域雇用特別基金事業として2カ年事業を予定しておりますが、単年度予算措置でありますので、平成13年度につきましては、12年度の調査を踏まえて、再度検討してまいります。

 次に、公共交通が市民により身近で魅力ある乗り物になり、自家用車と公共交通のバランスのとれた都市交通は、交通の混雑の緩和や環境の視点からも期待できるものであり、自治体が積極的にかかわっていく必要があると認識しております。バスカードシステムにつきましては、国が公共交通の利用を促す施策として実施している都市交通の安全・円滑化に資する補助事業の一つでありまして、基準費用につきまして、国が5分の1、大阪府が10分の1、市が10分の1を補助する制度でありますので、よろしくお願いします。

◯中野一雄教育長 施設管理人について、お答えします。

 本市、小・中学校におきましては、学校開放事業として、地域体育団体などに運動施設などの開放を行っているところですが、開放時の施設管理につきましては、宿日直代行員がその業務に当たっています。御質問の施設管理人につきましては、機械警備の導入により、宿日直代行員が廃止されますので、機械警備だけでは対応できない学校施設開放の時間に限定して使用者の確認や鍵の開閉、緊急時の対応などに当たるため配置していくものです。

 今後、機械警備の導入に当たり、御指摘のことも念頭に置きながら、効率的、効果的で十分管理ができるよう検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

◯池上典子議員 3回目の質問に入らせていただきます。

 退職職員の再雇用、再就業について。

 市長の先ほどの答弁では、国や民間企業等の取り組み、また地方公務員法の改正に伴って平成13年には現行制度の見直しと新たな就業制度の在り方について検討を加える旨を述べられましたが、私は極めて不満です。頑張っている職員も確かにおられますが、現在の給与や退職金に見合うだけの仕事を一体何人の職員がされているのでしょうか。本当は職員の方に恨まれるようなことを正直言って言いたくない。でも、民間企業に働く労働者と比較すると、余りにひど過ぎる勤務姿勢と勤務態度があります。

 朝9時ぎりぎりにタイムカードをつき、職場に入る時間を見ると9時をとっくに回っている。そこから焦りも急ぎもせず、よっこらしょとようやく仕事の態勢に入る。退庁時間も同様です。5時15分が業務終了時刻であるにもかかわらず、ひどい職員となると、その時間や一、二分後にはタイムカードをついている。何か変だとは思いませんか。

 権利意識ばかりが強く、労働実態が全く伴っていない、こんな職員がたくさんいる。職員給与は市民の税金です。枚方市の労働者の年収で一番多いのが300万円から500万円のクラスです。翻って、職員給与はと言うと、年収900万円から1,000万円が人数の一番多いクラスになるのです。現状でも、支払い過ぎている職員がいるのではないかという思いが強くあります。

 その上、定年退職後から年金満額支給年齢まで働ける、いや給料を受け取る制度を検討されようとしている。財政状況ががけっ縁なのではないのですか。倒産の赤ランプが点滅しているのではないのですか。バランスのとれない手厚過ぎる、法的、条例上の根拠さえ持たないこの制度は、お手盛りと言われても仕方がないのではありませんか。

 市民は、職員に給与を支払うために税金を納めているのではありません。そもそもの原因は、国の年金制度の破綻からきていることは百も承知しています。日々汗水垂らしながら懸命に働いている職員を対象にして、定年退職後も働ける制度を妥当な給与の中で考えようとされているのであれば、一定理解はするつもりです。

 しかし、先ほどの市長答弁の中で、国を初め民間企業においても、いわゆる社会的要請から再任用制度を設置するとありましたが、本市の職員は、国基準以上の給与及び時間短縮を実現しており、民間企業というなら業績評価、リストラもない、このような条件の中で、まだ市民から負担を求めるつもりですか。現行の制度を見る限り、どんな職員でも恩恵を受けていく制度となることは火を見るより明らかです。

 したがって、定年退職後の再雇用・就業制度については、現行制度の存続も含め、新たな制度化についても市民派会議として、反対である旨申し添え、要望に代えさせていただきます。

 最後の質問に入らせていただきます。

 今議会、各会派から多岐にわたり熱心な質問が出されました。それに対する市長の当会派に対する答弁も含め一定評価できる部分もありますが、この肥大し切った枚方の事業をスリム化し、一時基本形に戻す、このことが今回の答弁の中から枚方市行政自らの手によってできるとは到底思えないのです。市政方針の中、答弁の中にも赤字再建団体転落という最大の危機を乗り切り、本市の自治を守り抜くと何度も出てきます。当然です、本年度の最重要項目なのですから。

 では、お尋ねします。なぜ自治を守り抜かねばならないのですか。守り抜けなかったら、具体的にどういう市民にどのような影響が出るのですか。

 大多数の市民はきちんと税金を納めてきました。国民健康保険も高いと言いながらでも払っています。私の夫はサラリーマンです。手厚い人員配置をしているという公民館も使ったことがなければ、テニスコートも使ったことがありません。ラポールなど場所も知らないはずです。それが突然赤字再建団体になると言われれば、何でと思う方が自然です。その上、市民も痛みを、市民としての役割分担を、防犯を市民の手でなどと言われる、そんな自治を守り抜かねばならないのでしょうか、市長の見解をお聞かせください。

 これをもって質問のすべてを終わります。ありがとうございました。

◯中司 宏市長 池上議員からの3回目の御質問にお答えいたします。

 前段で、職員の勤務状態等につきまして御意見を述べられましたが、私も同感の部分が多々ありますが、現行制度は制度として決められたことについては守らなければならないというふうに考えています。しかし、その中で、どう職員としての自覚を高め、そして意識を高めていくかということにつきましては、一人一人の職員の資質の問題であり、一人一人の職員の意識の在り方が問われる問題であると、こういうふうに思います。私は、その一人一人の職員に対して意識改革を促していく、そうした地道な取り組みの中で、ぬるま湯と言われた現在の体制から働く市役所へと変革をしていく、そういう取り組みをしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、財政再建の準用団体の指定を受けますと、起債を財源とする事業の原則停止、委託料や補助事業の徹底した抑制などが求められまして、国の直接的な指導が強くなってきます。すなわち、財政再建準用団体となった自治体では、財政再建がすべてに優先することになり、状況の変化に対応した新たなまちづくりのための事業、あるいは本市としての特性のある、独自性のある施策などの展開ができなくなってしまうわけでございます。

 今議会におきましても多数御指摘を受けておりますように、本市には解決すべき数多くの課題があります。地方分権が本格的に推進される時代に財政再建準用団体に転落するということは、ある意味では自治を喪失する期間を作ることに等しいことになりますので、これは何としてでも避けなければならない事態であります。

 小さくても仕事のできる市役所を目指し、行財政の構造改革を断行すること。そして21世紀の本市の礎となる重要な施策や事業を勇気を持って展開することは、今与えられた決して切り離せない2つの命題であります。将来に決して悔いを残さないように、強いリーダーシップを持ちながら全力で市政運営に当たる決意でございますので、よろしく御理解、御支援くださいますようお願いいたします。

 

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