平成10年12月議会

 

◯池上典子議員 一般質問の機会を与えていただきましてありがとうございます。

 通告に従い、以下質問をさせていただきます。

 小学校の放課後事業について。

 ことし4月、枚方市では留守家庭児童会室の第2・第4土曜日を閉室にしました。この受け皿作りにかかわる中で、大阪市の児童いきいき放課後事業を御紹介いただき、先日視察に寄せていただきました。全児童を対象としていること、無料であること、地域コミュニティへ委託していること等いろいろな可能性を秘めた事業ではないかと考えます。

 最近、戸外で子供たちの姿を見ることが少なくなりました。塾、コンピューターゲーム、習い事と日常が忙しいこともありますが、制約の多い公園、小学生はブランコと滑り台だけでは遊べません。路地は既に道路となって車が走ります。探検に行くような山に恵まれた場所も限られ、子供の大きさに合った小川も暗渠に変わっています。私たちが子供時代に夢中になったもののほとんどが整備され、子供たちのおもちゃとなることを拒否しています。2002年に予定されている学校完全週5日制も控え、子供たちを取り巻く環境を考えると暗たんたる気持ちになります。

 6月議会において、学校を地域の核となる広場、遊び場と位置付け、学校施設の開放推進とあわせて取り組みを図るとの答弁をいただいております。子供たちのために学校という施設からまず一歩を踏み出していただけないでしょうか。子供たちの異年齢交流もできます。高齢者の方、卒業生、地域に住むいろいろな人がプレーリーダーとして名乗りを上げてくださると思います。

 大阪市262校という規模も違いますし、運営形態も枚方市で取り入れられるなら当然変えていく必要がありますが、子ども育成事業の一環としてこのような事業に対するお考えをお聞かせください。

 学校園におけるセクシュアルハラスメントの防止について。

 本年6月に本部長を市長、副本部長を教育長とした女性施策推進本部において、セクシュアル・ハラスメントの防止に関する指針を策定することが決定しました。この決定を受けて、庁内でもいろいろな取り組みがなされておりますが、学校園での現在の取り組み状況について、また将来の方向性について、お尋ねいたします。

 ごみ減量・リサイクル推進施策について。

 今議会において、たくさんの議員からの質問、それに対する回答がなされていますが、資源ごみ分別収集モデル地区事業、リサイクルプラザについて、質問をいたします。

 資源ごみ分別収集モデル地区事業、この事業が始まり既に11年が経過しております。市内の4分の3の世帯を積み残したまま放置し、延々と続けたこのモデル事業を一体どうするつもりなのか。具体的な実施計画と最終的にどのような収集形態をお考えなのか、お示しください。

 行政の担うべき役割を明確にしていくことも、今回策定された事務事業再構築プランの趣旨の一つだと理解しています。そのプランの中で、「分別収集の多様化等を視野に入れて、一部収集品目の委託収集等を含めて具体的な検討を進めていく」とあります。資源ごみ、この言い方も変なのですが、分別して資源となった元ごみの収集と、その他を民間に委託するお考えはないのか、お尋ねいたします。

 4番目に、時間外勤務について、お尋ねします。

 平成9年度時間外勤務の最高が時間にして1,010時間、手当額で約320万円、一般会計に占める時間外手当の総額が約7億円です。水曜日のノー残業デーを初め、所属長が命じるという事務執行の徹底についての努力は評価いたしますが、1,000時間というのは、一般企業と比較した場合、余りにも異常な数字だと考えます。

 また、平成8年度上位を占めていた部署が平成9年度にも上位に挙がっている等は不測の事態ではなく、当然予想できる状況の中での職員の適正配置についてもあわせて見解をお尋ねいたします。

 東部下水汚泥処分地における追加調査の結果について。

 12月2日に建設委員協議会で配付された東部周辺整備用地追加調査の結果資料に基づき、以下2点質問いたします。

 下水の汚泥処分地を避けて掘削し、条件がそれほど変わらないと思える3カ所で行ったボーリング調査の中で、どうしてH−2の地点だけ鉛、土壌ガスにおいては約80%という高濃度な数字が挙がってくるのか、お尋ねします。

 同じく資料表5によれば、自然界に存在しないはずのPCBが、H−1、H−2、H−3とボーリングをされたすべての地点で盛り土とシルト部分からのみ今回の含有試験で検出されております。もともとあったと見られる粘土質からは全く検出されていないことから、PCBは搬入された覆土に含まれると推定されるのではないでしょうか。

 搬入された覆土に関しては、市でも処分者まで出した経緯については承知しておりますが、市のいわゆる総体目視による一般残土との判断について疑問を持たざるを得ません。

 したがって、持ち込まれた土壌の履歴調査と現在4,000万円弱かかっている検査費用についても、責任所在の明確化が必要だと考えますが、見解をお聞かせください。

 また、京田辺市で、市民団体から両市で取り交わした協定書に基づき、手原川の水質検査費用を枚方市に求めるべきだという監査請求が出されております。このことに対する枚方市の見解をお示しください。

 これで1回目の質問を終わります。

◯新庄邦彦福祉事務所長 小学校の放課後事業について、お答えを申し上げます。

 遊びは子供たちの想像力の源であり、心身の発達にとって欠かせぬ栄養素であります。特に小学校期までにあっては、異年齢の子供たちが集団で遊ぶことが社会性や思いやり、あるいは主体性を自然にはぐくむ上で重要な役割を果たすと考えております。しかしながら、昨今の子供たちは、都市化により遊び場所が少ない、少子化により遊び仲間が少ない、そして塾通いなどにより遊び時間が少ないという状況に置かれており、そのことが子供たちの人間形成に大きな影響を及ぼしています。

 学校を地域の核となる広場、遊び場として位置付け、プレーリーダーを育成し、地域ぐるみで子供たちの遊びの活性化を図ることは、子ども育成計画の趣旨からも重要課題と受け止め、学校週5日制への移行も見据えながら、教育委員会と協議の上、放課後、休日における学校施設の開放について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解いただきたいと思います。

◯榊原啓雄教育委員会学校教育部長 学校園におけるセクシュアルハラスメントの防止について、お答えいたします。

 本市におきましては、女性施策推進本部が教職員と児童、生徒を対象としたセクシュアルハラスメントの防止への取り組みの重要性を指摘しております。本市教育委員会としましては、その防止策に取り組むに当たり、年度当初の校園長会において教職員の共通理解を図るとともに、教職員研修の充実を図るよう指導いたしました。

 本年11月に実施した調査によりますと、このことについて、職員会議などにおける新聞記事を引用しての校長による講話、あるいは資料を用いての校内研修などを実施、または実施予定中の学校は小学校で45%、中学校でも45%となっております。

 教育委員会としましては、セクシュアルハラスメントを性にまつわる人権問題ととらえ、教職員研修の充実が急務であるという認識に立ち、来年1月に教職員研修を計画しているところでございます。

 あわせて関係各課とも連携をとりながら、セクシュアルハラスメントの防止について学校園に通達を出すとともに、教育委員会としての指針の策定や教育委員会に苦情等を受け付ける組織などを設置することについて検討しておりますので、よろしく御理解いただきますようお願いいたします。

◯大山正勝環境対策部長 ごみ減量・リサイクル推進施策につきまして、お答え申し上げます。

 リサイクルモデル地区の試行につきまして、今後の計画とそれに伴う収集形態についてでございます。

 昭和62年7月からモデル地区を設定し、地元の協力を得て空き瓶、空き缶を対象に排出源高度分別方式による資源物の分別収集を開始し、現在148地区で3万7,000世帯を対象に実施をいたしております。しかし、市民の排出マナーの低下や現有施設の施設能力の問題、または財政負担の問題等さまざまな課題があり、さらに全市的拡大は困難な状況にあります。

 したがいまして、今後は、モデル地区の見直しや平成14年度リサイクルプラザ稼働等も視野に入れながら、効率的かつ全市統一的な方策を検討してまいりたいと、こういうふうに考えておりますので、よろしく御理解賜りますようにお願い申し上げます。

 これに関連いたしまして、ごみ収集の民間委託につきましては、枚方市事務事業再構築プランにも掲げておりますように、家庭系ごみの収集業務につきましては、直営を基本といたしておりますけれども、今後の課題として分別収集の多様化などを視野に入れた中で、他市の実例やそれから民間事業の動向等の調査を行いながら、その一部については、委託を含めた収集体制の見直しを検討していきたいと、このように考えております。

 また、ごみの資源化につきましては、事業者責任による店頭回収や再商品化につきましても、さらに積極的に働きかけていきたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようにお願い申し上げます。

◯松中喜一郎総務部長 次に、時間外勤務について、お答えいたします。

 時間外勤務が特定の職員に集中することは、職員の健康管理や事務効率上におきましても好ましい状況ではないと認識しております。

 御指摘の件につきましては、本年4月の機構改革と定期人事異動において事務分担を見直し、一定改善を図ってきたところでございます。

 いずれにいたしましても、時間外勤務者の多い部署につきましては、異動ヒアリング時において部課長からその原因等を聴取し、課の事務分掌と分担の在り方に課題があるのか、また事務事業の見直しや事務改善等でさらに工夫が必要なのか、また人員配置が不足しているのか等について分析し、その結果により人的課題につきましては、定期人事異動時において適材適所の配置に努めているところでございますので、よろしくお願い申し上げます。

◯三宅一俊東部整備部長 次に、東部整備部にいただきました東部下水汚泥処分地における追加調査の結果について、お答えいたします。

 まず、H−2の地点に鉛、メタンガスが高濃度で検出しているのはなぜかということですが、H−2の地点の地下6メートルのシルト層での含有試験で鉛が35ミリグラム/キログラム、メタンガスが約80%検出されております。

 鉛につきましては、自然界に存在する量が文献では12ミリグラム/キログラムであるものの、検出地点が調整池への雨水の流入口に近いため比重の重い鉛が雨水とともに地下に浸透し、水を通しにくいシルト層に沈着しているものと考えられます。

 メタンガスにつきましては、濃度の高さから考えて汚泥処分地内で発生したガスが地中を通って検出されたものと思われます。

 なお、この地点での土壌の溶出試験や地下水分析結果では、不検出、もしくは環境基準を下回る結果が出ております。

 次に、土壌検査で自然界には存在しないはずのPCBが含有していることと、その責任の明確化でございますが、これにつきましては、搬入土壌の履歴調査について搬入した業者に照会したところ、覆土については、土砂採取過程における骨材で商品にならない土砂を主に覆土したものであり、いわゆる産業廃棄物で行ったものではない。創業以来、建設殻以外の産業廃棄物は取り扱っていないとの文書が来ております。

 なお、履歴調査及び検査費用の負担等は既に申し上げているところですが、今後も引き続き申し入れてまいります。

 次に、京田辺市における手原川水質の検査費用についての監査請求の見解についてでございますが、現在までに検査費用についての具体的な協議の申し出はありません。京田辺市内の水質に関して、京田辺市の判断で独自に行われたものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◯池上典子議員 数点について、再質問と要望をさせていただきます。

 放課後事業に対し、福祉事務所長から大変前向きな御答弁をいただきまして感謝いたします。答弁の中に、教育委員会と協議の上という文言があります。早速ですが、このような事業に対し、教育委員会としての学校利用に関する考え方をお示しいただきたいと思います。

 リサイクル推進施策について。

 リサイクルを全市に展開する中で、現有施設の能力の問題というところからリサイクルプラザが出てくるのでしょうが、財政の苦しい中、何十億というプラザの建設が本当に必要なのでしょうか。粗ごみの戸別収集も来年3月から始まります。職員数を増やすことは考えられない現在の枚方市の状況の中で、さらに資源ごみまで直営でできるのかという疑問を持ちます。資源ごみ収集についても古紙回収、ペットボトルと同じように分別設備、回収ルートを持った民間業者に委託をすることを検討する時期が来ているのではないでしょうか。

 既に、リサイクルプラザは稼働し、今まさに全市的に資源ごみのモデル地区並み実施が直営でなされようとしているのであればこのような質問はいたしません。少なくとも、先ほどの答弁によれば、リサイクルプラザの稼働ですら4年後なのです。これから分別収集の品目がその他紙容器、その他プラスチック容器とどんどん増えてまいります。何もかも行政が担うのは無理であるし、製造者責任、販売者の責任、利用者の責任がまず果たされるよう指導、啓発、監視をすることこそそのときの行政の仕事であると考えます。

 各小学校区に何カ所かストックヤードを設置し、直接業者が収集し、リサイクルルートに乗せていく方法もあります。また販売店に少なくとも自分の店で売った数だけは回収していただき、協力店については、広報で宣伝し、消費者である市民の応援を求める等いろいろな方法を重ね合わせることもできるはずです。

 委託を含めた収集体制の見直しを検討していきたいとのお答えをいただきました。先ほど申し上げました平成14年のリサイクルプラザの稼働ということであれば、来年度にはもう設計に入らなければならないはずです。缶選別だけを対象とするのか、瓶も缶もペットもやるのか、瓶であれば色別までやるのか等、それによって規模も機能もかなり変わってくるはずです。

 何を委託し、何を直営でやるのかの議論もないままにどういう指針を持ってリサイクルプラザの設計を発注するのか、お示しください。この財政難の折に、何十億かかってもすべてを包括できる最大値をもって計画するなどということは許されません。

 時間外勤務について。

 超過勤務1,010時間は、職員の健康にとっても異常な数字です。また、あらゆる部門についての切り捨て、値上げを余儀なくされた本市の危機的な財政の窮乏を考えると、一般会計に占める7億円の額は余りに大きく、1カ月30万円に至る手当額は職員間の公平という見地からも問題です。

 年間200時間ないしは300時間という枠組みの設定が必要だと考えますが、見解をお尋ねします。

 東部下水汚泥処分地における追加調査の結果について。

 搬入土壌については、今後も履歴調査を申し入れ、検査費用の負担についても協議していくとのお答えをいただきましたので、一定理解いたしました。80%を超えるメタンガスについては、近くの下水汚泥処分地から地中を通ってという御答弁が大変気がかりです。当時の下水道には生活排水だけではなく、重金属を含む工場排水も流入しております。だからこそ、遮へいした産業廃棄物処分場が必要であったわけです。漏れ出しているのではという危惧が持たれますが、今行われている透水試験の結果を待ちたいと思います。

 地域の方たちの切実な危機感、不安を考えると、一刻も早い安全性の確立を強く要望し、2回目の質問を終わります。

◯木村克弘教育委員会社会教育部長 小学校の放課後事業につきまして、2回目の質問をいただきましたことにつきまして、お答えいたします。

 本年4月に発表されました枚方市子ども育成計画、ひらかた子どもえがおいきいきビジョンでは、子どもが笑顔で生き生きと暮らせるまち枚方を基本理念にさまざまな提言がなされております。

 教育委員会といたしましては、この趣旨を生かしまして、その具体化のために積極的に施設の利用等について協力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

◯大山正勝環境対策部長 リサイクルプラザについて、再度御質問いただきましたので、お答えをいたします。

 リサイクルプラザの建設計画を含め、本市のごみ処理問題につきましては、これまで廃棄物減量等推進審議会で御審議をいただきながら、先般、資源循環型社会構築のための枚方市一般廃棄物減量及び適正処理基本計画を策定をいたしたところであります。

 施設概要のうち、ハード的な施設につきましては、容器包装リサイクル法に基づきまして、全市域統一的な資源回収を前提に、空き瓶、空き缶を基本としながら、日40トンの規模を予定をいたしております。

 また、建設後の施設運営につきましては、他都市の状況等も踏まえ、広い視野に立って検討をしていく考えでおります。

 また、建設費用の問題についても、今日非常に厳しい財政状況でございますので、国庫補助制度等より有効に活用してまいりたいと、こういうように考えておりますので、よろしく御理解賜りますようにお願い申し上げます。

◯矢代圭介助役 時間外勤務につきまして、お答えをいたします。

 時間外勤務の軽減につきましては、ノー残業デーの徹底や勤務命令手続の厳格な執行など全庁的な取り組みを進めているところであります。この結果、手当額につきまして、普通会計ベースで平成6年度と9年度を比較いたしますと約16%の減となっており、一定成果も現れてきているものと考えております。

 そこで、議員御指摘の年間の超過勤務時間に枠組みを設けてはどうかとの御意見でございますが、一律的な制限が緊急事態への対応も含めた公務の執行にどう影響を及ぼすのか等導入について慎重な対処が必要であると考えます。このことにつきましては、先ほど総務部長がお答えいたしましたように、職員の適正配置や適材適所の配置に努めていきたいと考えております。

 いずれにいたしましても、今後も引き続き職員自らが創意工夫を重ね、事務改善等に取り組むとともに、時間外勤務の必要性の精査や、その都度のチェックなどの適正な事務処理を行い、全庁的に時間外勤務の縮減に努めてまいりたいと考えておりますので御理解のほどよろしくお願いいたします。

 

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